健康診断 本来の基準値
血液検査で数多くの項目が測定され、それぞれに基準値が表示されています。その基準値の算出方法は、次のとおりで、通常は検査機関ごとに行われますから、若干の違いが生じます。
治療薬を飲んでいないのは当然のこと、どこも悪くないといった健康な人の膨大なデータを収集し、高低両極端の各2.5%をカットし、残った95%の健康な人のデータの上限値と下限値を拾い出し、これを基準値として決定します。
これが本来の基準値というもので、血液検査の大半の項目はこうして定められているのですが、「血圧」「コレステロール」「中性脂肪」は、それにはよらず、血管性疾患の予防目的で定められています。
そして、これを元に、欧米では生活習慣指導がなされるのですが、日本ではこれを悪用して即投薬するという、とんでもないことが行われているのです。
加えて、下の表で明らかなように、性別・年齢で本来の基準値が大きく変わってくるものがけっこうあるのですが、それが無視されているのが現状です。
特に、女性は閉経に伴ってコレステロール値が30程度急に高くなり、かっこうの投薬対象にされてしまっています。
なお、中高年の血圧については、驚くほどに高いのが本来の基準値です。
下の表は、東海大学医学部名誉教授、大櫛陽一氏が中心になって算定されたもので、統計学上信頼できる数値です。
(標本数は約70万人:全国45機関から収集して解析:2004年発表)
[備考] 2014年の春頃まで、血液検査全項目の男女別・年齢階層別基準値が東海大学のHPに掲載されていましたが、その後は削除されてしまいました。
記事掲載:2015.10.24